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【古くて素敵なクラシック・レコード?】今週の収穫_2023年11月11〜12日

CLASSIC

今週の収穫:結果的に村上春樹的チョイスのクラシック多め

音楽鑑賞が趣味なので、毎週のように散歩がてらレコード屋に足を運んでいる。

大まか行くのは御茶ノ水エリア・新宿エリアのディスクユニオン各店である。

それこそコロナ禍前には毎週末開催される廃盤セールに早朝から並んでお目当てをゲット!とかやっていたが、近年のレコードブームによる廃盤の高騰もあり、最近はつとに並ぶことも少なくなった。

最近は特にクラシック、中でも低価格帯でいいレコードはないか?と物色するのがマイブーム。

まるで村上春樹の「古くて素敵なクラシック・レコードたち」であるが、私は個人的にこの本のチョイスは好きではない。コンセプトは大賛成なのだが。

演奏もさることながら音質、これも重要な要素である。それと価格のバランス、この3点がいい塩梅のものを毎週末探している。

さて、今週の収穫物について、試聴感想交えて記載していきたいと思う。

1.フリッツ・ライナー、シカゴ響「くるみ割り人形」REINER / CSO_Tchaikovsky:NUTCRACKER SUITE-Excerpts (MONO)

RCA RED SEAL LM-2328

ライナーとシカゴ響によるチャイコの「くるみ割り人形」、モノラル盤。
購入価格:1000円

なんといってもジャケが秀逸!楽しそうだ。

音もジャケ同様、大変に心弾む楽しい演奏を聞かせてくれる。演奏はこのコンビならではの精緻かつダイナミックなもので、期待を裏切らなかった。

この盤はモノラルのRCA Red Seal盤である。
RCAといえばステレオ盤が高音質、「LIVING STEREO」で知られている。
この演奏もステレオ盤はよりクリアな音が楽しめるだろうと思うのだが、モノラル盤しか売っていなかった。
それでも、モノラルとは思えないくらい音場も広く、十分に高音質な一枚だと思った。

なお、恥ずかしながら私はこの「くるみ割り人形」のストーリー(あらすじ)を全く知らなかったので後付でYOUTUBEで勉強させてもらった。
シーズン的にもクリスマスにはぴったりなようだ。

こちらの動画、わかりやすかったのでご参考までに。

2.マリア・カラス「オペラアリアを歌う」Maria Meneghini Callas / SINGS Operatic Arias (MONO)

EMI – 33CX 1231

こちらもモノラル盤。マリア・カラスのオペラアリア集。800円。

実はこのレコード、以前所有していたのだが、なにを間違ったのか、売りに出してしまい後悔していた。
いつか買い直さなければ…と思っていたら、おおよそ1年がかりでようやく再発見。値段も手頃なので即購入決断である。

私が買ったのは残念ながらハーフムーンレーベルの後発盤であるが、音はもちろん及第点。

ステレオ盤は存在するのかもしれないが、この作品はむしろモノラルで聴きたい
歌手カラスの生きた時代の空気をそのまま感じる。サブスクもいいのだが、やはりこれはブルーズのアルバム同様レコードが一番だと思う。

なんといってもこのアルバムに収録されているA面4曲目のオペラ「LA WALLY」からのアリア「Ebben? Ne Andò Lontana」(さようなら故郷の家よ)が絶品。いろんな歌手が歌っているが私はカラスのバージョンが好きだ。

気になる方はまずこの動画で聞いてみてほしい。歌詞の和訳もついていてありがたい限りである。

しかし、マリア・カラスって本当に美しいよなぁ・・・

フリッツ・ライナー、シカゴ響「ブラームス 交響曲第3番」FRITZ REINER / CSO_BRAHMS Symphony No.3

RCA Victor Red Seal – SB 2007

こちらもライナー・シカゴ響の1枚。こちらは値段はお高く4300円。

先程の「くるみ割り人形」と同じRCA盤の「LIVING STEREO」盤であるがこちらはUK盤。

最近はライナーの演奏がどうも気になって仕方がない。ダイナミックな演奏なのだが、決して大味ではないところが気に入っている。

ブラームスの交響曲は4曲あるが、この第3番というのは一番指揮が難しい…と以前、台湾在住の指揮者・徳岡直樹氏がおっしゃっていたのを聴いたことがある。確かに、一聴しただけでは「第1番」や「第4番」のようなわかりやすさはない。

私のような「ロック好きクラシック初心者」からすると、キャッチーなとらえどころがないのはやはり苦しいのだが…何回も聴いているうちにだんだん「あ〜、いいかもな、これ」なんて感じになってくる。

非常に滋味深い曲だな、と思う。

ハイフェッツ、ミュンシュ、ボストン響「メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲」HEIFETZ / MUNCH / BSO_Mendelssohn Violin Concerto in E Minor

RCA Victor Red Seal – LM 2314

ヤッシャ・ハイフェッツによるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。こちらは1,200円。

先程からRCA盤が続いているが特に意識しているわけではない。が、やはりこの頃のRCA盤は音がいいので良さそうなものを見つけてしまうとついつい買ってしまう。

この盤はモノラルだが、モノラルらしくパワフルな出音が気持ちいい。

ハイフェッツの演奏は以前の記事でも取り上げたが、この演奏もやはり正確無比、ある種の気品すら漂う名演である。RCA盤の器楽・協奏曲モノは総じてソロイストと後ろのオケの音量バランスも申し分ないので安心感がある。

そもそもメンデルスゾーンのVnCon、あまり好きではなかったのだが(冒頭の出だしがあまりにメジャーすぎて食傷気味になっていた)、この演奏を聴いて揺り戻しを受けた次第。


個人的には「お手本盤」として、以後この曲の聴き比べの際の基準値となる演奏だと思った。

ワルター、コロンビア響「ベートーヴェン 第9」Bruno Walter / Columbia Symphony Orchestra_Beethoven Symphony No.9 “Choral”

20AC 1813

つづいてはワルターの第9。国内盤でCBS/SONYの盤である。サンプル盤表記あり、1,000円。

ジャケット左下に「NEW REMIXED MASTER」とあるので、もともとのコロンビア音源をリマスターしたものだろうな…と思ったら案の定ジャケ裏に説明書きがあった。

当時のプロデューサーが立ち会ってリマスターしたもの、だけあって音質は極めてクリアな高音質盤である。

…が、残念ながら演奏がかなり疑問符??であった。
ワルターの第9をそもそも聴いたことがなかったので、興味があってとりあえず買ってみた、わけなのだが、個人的にはちょっとオススメできない。

第1楽章から、テンポが気持ち悪いくらいうねるのだ。うねる、というのは緩急がつく、ということなのだが、そのつき方がどうにも落ち着きが悪い。これまでもいろいろな演奏を聞いては来たが、これは正直、乗り物酔いのような心地悪さを感じてしまった。

同じワルターCBSの第6番「田園」、やマーラーの第1番「巨人」はあんなに素晴らしいのに…その反動でちょっとがっかりしてしまった。

クルト・マズア、ゲヴァントハウス響「ベートーヴェン 第9」Kurt Masur / Gewandhausorchester Leipzig_Beethoven Sinfonie Nr.9

ETERNA – 8 26 421-422

クルト・マズアとゲヴァントハウスの第9。エテルナ盤にて1300円。

この作品は私がよく参考にしているこのサイトでオススメの第九として紹介されていた。たまたま見つけてしまったので即購入に至った、という次第。

上記サイトの山口氏も記載されているが、第4楽章の「合唱」部分が確かに力強く素晴らしい。

盤の音質は並、そこまで高音質ということではないので、CDでお安く見つかるならそれでも良かったかな、と思う。

1点、残念なのは、このLPは2枚組なのだが、第9はB面の後半から始まりD面で終わる、という構成。明らかに鑑賞家泣かせだと思う。A面〜B面中盤までは同じくベートーヴェンの第2番が収録されている。

まとめ:年末廃盤セール前に・・・

個人的にはワルターはハズレだったがその他は値段の割に非常に楽しめる内容でコスパが良かった。

そうそう、いよいよ11月も最終週となると各店舗で年末廃盤セールが始まる。

年々、廃盤セールのたびにレコード自体の値付けがご祝儀価格というか、若干の高騰を見せる時期である。

個人的には今の時期こそ、「エサ箱に残っているレア盤・廃盤」の類を思い切って買うべき、と思っている。廃盤セール時に同盤がやたら高騰した値段で出てくる可能性もあるし、いわゆる「廃盤セールに来たついでに欲しい物が買えなかったからこっち買っとくか」という、「廃盤ついで買い」も発生しやすい時期が、このボーナス時期とも重なる年末なのだ。

レコードハントするならこの11月中旬〜下旬までが最適と思うので、みなさんも週末は是非レコ屋に足を運んでいただければと思う。

本日もご一読、ありがとうございました。

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