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【チェット・ベイカー】名盤「シングス」のUK12インチオリジナルとUS10インチオリジナル聴き比べ! [Chet Baker / Chet Baker Sings ]

Disk Review

男性ジャズボーカルの必聴盤、チェット・ベイカー・シングス!

ども、こんにちわ。

今日はこちらのアルバムです。

Chet Baker / Chet Baker Sings (UK ORIGINAL MONO)_LAE12164

おそらく音楽好き、ジャズ好き、ならば一度はどっかで見たことあるであろう、とても有名なアルバム「チェット・ベイカー・シングス」である。

チェットといえばこれ!という人も多いのではないだろうか?
ジャケットの3色グラデーションにTシャツ一枚でマイクに向かうチェット。

くぅ〜カッコいい!!!

チェットの名盤、いや、ジャズの定番100、で必ず選ばれる1枚である。
今日はこの名盤のUKオリとUSオリの聴き比べをやってみたい。

まずはUK盤から。

チェット・ベイカー・シングス / UKオリジナル12インチ(Chet Baker Sings _UK ORIGINAL MONO(LAE12164) )

さっそく始めよう。

前掲のジャケ写の右上。UKでは「World Pacific Records」からの配給となっている。

後述するUSオリジナル盤だと「Pacific Jazz」 レーベルである。

ちなみに「Pacific Jazz」は御存知の通りアメリカ西海岸のレーベル。いわゆるウェスト・コースト・ジャズの隆盛に一役買ったレーベルとして有名である。

この「Pacific Jazz」表記は1952〜1957まで使われ、1957年から1960年にかけてパシフィック・ジャズ・シリーズとしてワールド・パシフィック・レコードから復刻された。1960年に再活動し、1965年にLiberty Records が買収。60年代後半にはWorld Pacific JazzというLibertyレーベルの一部門となる。買収されたブルーノートと同じような流れである。

UKオリジナルの裏ジャケ。

UKオリジナル、レーベル面。「Vogue Record」表記。

後ほど掲出するUS盤のレーベルに比べるとおしゃれな感じがする。調べてみるとVogue Recordsはフランスや南アフリカのVogueの初期のリリースに見られるレーベル表記とのこと。
主にVogue Records Limitedが販売したイギリスのリリースでもこのレーベルは頻出するようだ。フランスか…やはりレーベルにそんな雰囲気は感じる。ただの気のせいか?

さてこのUK盤だが、マト番はA面が[VMGT-1440-1B]、スタンパーが1E。B面が[VMGT-1441-1B]、スタンパーは1U。結構初版に近いマト盤・スタンパーなのではないかと推測している。

もともと本盤は1954年にUS盤10インチでリリースされた。
それが1956年に同じくUSで12インチで再リリースに。オリジナル10インチ盤はA面B面とも4曲づつ収録だが、12インチ化(1956年)するにあたり曲数も6曲増。
今回ご紹介のこのUK盤は1956年にUSで12インチ化されたもののUK盤にあたる。UK盤発売年はDiscogさんによると1959年のようだ。

楽曲は以下の通り。

A1 That Old Feeling 3:01
A2 It’s Always You 3:32
A3 Like Someone In Love 2:23
A4 My Ideal 4:23
A5 I’ve Never Been In Love Before 4:26
A6 My Buddy 3:17
B1 But Not For Me 3:01
B2 Time After Time 2:43
B3 I Get Along Without You Very Well 2:56
B4 My Funny Valentine 2:18
B5 There Will Never Be Another You 2:57
B6 The Thrill Is Gone 2:49
B7 I Fall In Love Too Easily 3:18
B8 Look For The Silver Lining

太字網掛けがUS10インチとの重複。B面に全部10インチ分を収録し、A面は追加録音

ここまで来て、「なんでUSオリジとUKオリジの比較で、USが先に来ないんだ?」と疑問に思われる方もいるかと思う。おっしゃるとおり。

それは単純に私が所有しているUSオリジナルの10インチ盤がVG+と状態が非常に悪いためである。

モノ針で聞いてなんとか聞ける…という、いわゆるノイズ混じりの「味のある」音で鑑賞できる状態の盤質。なのであえて、個人的によく聞くUK盤を先にご紹介した次第である。

ちなみに気になるお値段の方だが、UKオリジナル盤は確か2019年購入、価格はEXコンディションで12,800円だったと記憶している。

そして下記のUSオリジナル10インチ盤は盤のコンディションがVG+でなんと2000円弱…それはそれで安く手に入れられたのでよかった。

チェット・ベイカー・シングス / USオリジナル10インチChet Baker Sings _US ORIGINAL MONO(PJLP-11)

さて、先程述べたこちらがUSオリジナルの10インチ。
ジャケも三方にセロテープ留めされてボロボロ…いわゆる外装はC、VGクラスである。

これがレーベル面。UK盤のレーベルに比べるとなんとも地味、っちゃ地味なのだがガッツリと入った内溝(ディープグルーヴ)がマニア心を揺り動かす。「これ、絶対音が太いやつだ」と見ただけで思っちゃう人はレコマニア、同志です。

マトリクスはA面[PJ 420 D4]、B面[PJ 421 D4]。

おそらく初版のオリジナル盤と推測している。

ということでスペックは出揃ったので早速聴き比べを始めていきたい。

聴き比べ

先述の通り曲数が違うため、比較対象をまずは絞りたい。

ここはシンプルにUS盤10インチ収録曲がすべて入っているUK盤B面と、US盤両面で比較してみた。

先に断っておくが、UK盤とUS盤で収録曲数も違いサイズも異なる、かつ盤の状態も著しく違う。特に盤質の状態によって聴感が左右されることは人間誰しもあるもの、その点において純粋な比較になってないかもしれない。あくまで私の主観、しかもいつも以上にふらついている可能性もある。その点はご容赦をいただきたい。

まずはUK盤。

盤状態がいいこともあってか非常に丁寧な音作りだな、と感じた。

チェットのボーカルとバックの演奏のバランスがとても良く聞きやすい。トランペットのソロもピアノやベースよりも前に出過ぎることなくいい具合。ベースの低音は少し弱め、ピアノの中〜高音域はモノラルならではの温かみがある柔らかな仕上がり。

全体的に中音域にまとめられていて聞きやすい。音圧は高くはないが、このくらいが適量、良いバランスだと思う。

続いてはUS盤。

盤面にキズが多くノイズが多いが、それでもこう、まるでチェットが耳元でささやくかのような息遣いの生々しさはこちらの方が上。10インチなので溝が広いこともあってか、ベース音にもどっしりとした重厚感がある。

ただ、ピアノの高音部やハイハットなどの金物の鳴りは少し引っ込んでいる。その分、ジャケ写のマイクになったような気分である。

これはメロウすぎて女の子ならやられるね、イチコロってやつでしょ、たぶん。「My funny Valentine」とかね。

トランペットのソロもUK盤に比べると若干ボリュームが大きめでフォーカスポイントのメリハリがしっかり効いてる印象だ。音圧はこちらのほうが強い。もちろんゴリゴリ押し出してくる感じはないが、いい塩梅で生々しさを生んでいる。

これはぜひ、状態のいい盤で買い直したい。

まとめ

ということで、今回はチェットの名盤を比較してみた。

本作はやはり自分が若かりし頃から「大人の音楽」として聞いてきたものなので、実際に大人というかおっさんになった現在、じわっと胸に沁みるものがある。

当時はCDで聞いてたが、改めてレコードの、しかもオリジナルで聴くとやはり音の彫りの深さのようなものが違うな、、、と感じる次第。

プラシーボかもしれないが、温もりと録音当時の空気感がギュッと詰め込まれている気がする。

皆さんも是非、機会があればレコードで聞いてみてほしい。

ご一読ありがとうございました。

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