普段遣いに便利な”コスパ最強”のレコードクリーニンググッズ
本日はレコードクリーニングシリーズである。
以前、中華製超音波レコード洗浄について記載したが、毎日毎日リスニング前に超音波洗浄するのは一般的ではないかと思う。だってめんどくさいよね。
ただ、レコードを聴こうとしてジャケットから盤を取り出したときに「あれ、ホコリが…」「指紋のあとが…」なんて感じはよくあること。そういったちょっと気になる汚れをサクッと除去したい、というニーズのほうが多いようにも思う。
そこで本日は私が実際に購入・使用しているレコードクリーニンググッズについてご紹介したい。
オーディオ用品、特にクリーニング用品は「なぜ?」と思うくらい高価なものが多く、その割に「値段相応のパフォーマンス」を出せているもの、いわゆる「コスパ相応」のものが少ない印象はないだろうか?
今回は私が長年に渡っていろいろなクリーニング用品を試した上で、「これは日用品代用できる」「こちらの方がコスパが良い」「これは複数種あるがこれが一番良い」と感じたものをご紹介したいと思う。一応25年近くレコードとは付かず離れずの付き合いをしているので、レコードクリーニングキャリアについてはそこそこあると自認している。
基本、ネット通販で容易かつ安価に入手できるものをご紹介していくので、もし気になったらご自身でもチェックいただければ幸いである。
なお、ご紹介は以下のレコードクリーニングの順番に沿っていきたい。
- 盤面のホコリを落とす。除電。
- 液体クリーナーを盤面に塗りつけてブラッシング
- キムワイプで水分を拭き取る
- 仕上げにクロスで拭き上げる
- スプレーを軽く噴霧
- ブラッシングしてなじませる
- 乾燥させる
- レコードプレーヤーに乗せて演奏する(針通し)
1.ホコリ取り・除電=タミヤ静電気除去ブラシ
のっけから恐縮だが、ホコリとりのいわゆる乾式ブラシ(ベルベット地のものなど)はそれこそたくさん販売しているのでご自身でお好きなものをお使いいただければと思う。
今回は比較的値段が高めに設定されがちな「除電ブラシ」のジャンルにて、日本が世界に誇るプラモデルメーカー、タミヤ製のブラシをご紹介したい。
このブラシは主にレコード盤面に付着したゴミホコリの原因である、静電気を払うために使う。ホコリそのものは乾式ブラシで取るので、そこはお間違えなく。あくまで静電気除去である。
特に冬場の乾燥した季節などは、よくあるベルベット地の乾式ブラシでレコードを磨いても静電気で取り切れないホコリが盤面に残りがちだ。その際に軽くこのブラシで撫でてやると盤面を除電する効果があり、ホコリが取りやすくなる。
もちろん、レコード除電ブラシとして様々なものが売っている。有名どころだとYUKIMU、とか、アナログリラックスなどだろうか。調べるとアマゾンでも聴いたこと無いようなメーカーを含めてたくさんのものが出ている。
私もこのYUKIMU、およびアナログリラックスは使用したことがあるが、劇的に除電効果があるか?と言われると正直…、と思う。あるにはあるが、ぶっちゃけ除電スプレーのほうが効果は絶大と思っている。
あえてスプレーではなくブラシで選ぶとするなら、このタミヤのものである。除電効果が上記2種類とそんなに変わらず、除電してる感も味わえるのでコスト面からおすすめしたい。本来はもちろんプラモデル用。詳しい用途は公式ページに記載があるので見ていただきたい。
私の使用感としてはまず毛先が柔らかく、盤面を傷つけることは無い。毛先の長いブラシでサラサラと盤面を撫でる程度でも音が若干柔らかくなっている気がする。また、この除電ブラシで一旦盤面を撫で回したあとに通常のホコリ取りブラシで盤面を磨くほうが塵埃の落ちが良いと感じている。
具体的な除電具合を科学的に比較はできないのだが、このお値段で多少なり効果が得られ、しかもメジャーな2種類と対して効果が変わらないのであれば私はこちらをおすすめしたい。
2.液体クリーナー:水の激落ちくん、レコクリン
続いては湿式クリーニングの液体【クリーニング液】だ。
定番であればやはりディスクユニオンが発売しているこの「レコクリン」であろう。
コストはまぁ、こんなもんかな?と思う。昔は1000円しなかったように思っていたが、久しぶりに見たら1500円を超えている。ちょっと高いな…
性能についても可も不可もなく。あれば安心の一本だ。表面についてるチリ・ホコリ、およびヤニ等の汚れを拭き取るのには必要十分であると思う。ただ個人的にはこの容器が使いにくいので、別途百均で購入した小型スプレー容器に中身を移して使っている。1回の使用量を節約するのにはスプレー容器の使用がオススメだ。
で、コスパ重視で行くなら以前も紹介した、この「水の激落ちくん」もなかなか良い。
コスパは最強の300円前後。
ネットで色々調べていると、レコードに使用するとハイ落ちを感じるようになるなど、好意的ではない意見もあるようだが、私の使用感では全く問題ない。スプレータイプのボトルに入っていて使いやすいし、値段も安いので贅沢に盤にふりかけてまんべんなく液体を伸ばし、2〜3分放置した後に拭き取っている。
3.水分の拭き上げ:キムワイプ
続いては液体拭き取りのためのペーパー、キムワイプ。
これ、どのような商品なのか、まずは公式サイトから引用する。
キムワイプは毛羽立ちや紙粉が少なく、拭き取り後も繊維が目立たない紙ワイパーです。独自のクレープ加工により、優れた拭き取り性を実現しています。 毛羽が出ないティッシュというと分かりやすいかもしれません。
引用元:キムワイプ公式ページ
キムワイプは研究室・実験室・工場・病院において定番製品として愛用されており、産業用ワイパーとして世の中に定着しています。
研究室等で毛羽立ち・紙粉が少ないということで、これはレコード磨きにもいいのではないかな?と思って使用したところ、大変良かった。
本来ならば「レコクロス」のような不織布を使うほうがベターだと思うのだが、コスト面でちょっとな…と思う人も少なくないはず。
このキムワイプはたっぷり1箱200枚が入っていて高級ティッシュなみ(3〜400円)のお値段なので、一箱あれば当分はレコクリーニングの際のクロスには困らないはずだ。
使用用途だが、主に洗浄液をレコード盤面に塗布して磨いたあとの水分拭き取りがメイン。ただ、レコクロスと違って紙にコシがあるので、カビやしつこい油汚れのところもちょっと力を入れて磨くのにも重宝する。もちろん激しくこすると盤面を痛めるので注意が必要だ。
なにより、枚数を気にせずガンガン使える懐に優しいお値段はありがたい。
なお、キムワイプはメガネやカメラのレンズ拭き、PCやスマホ画面のクリーニングでももちろん使用可能で効果も高いので汎用性がありオトクである。
4.仕上げの拭き上げ:ナガオカ レコード用クリーニングクロス
お次はこちら。
レコード専用のクリーニングクロスCLV30は超極細繊維を編み込んだ特注のニット構造のクロスである。レコードクリーニング液で盤面を磨いたあと、余分な水分を取り除くと同時に盤面を磨き上げるのに適したクロスである。
まず手触りがたまらなくよい。シルクのようなしなやかさである。また、ドライクリーニングで盤面を磨く際などもサクッとできてしまうのがお手軽で良い。
「あれ、さっきのキムワイプでいいんじゃないの?」というご意見もあるかと思うが、私の用途はキムワイプの次の段階の「仕上げ」でこのクロスを使っている。
キムワイプが「水分の拭き取り・吸収」であり、クロスが「盤面の磨き」という役割分担だ。
このクロスは洗濯して再利用できるのもいい。盤面を乾式ブラシでこするのも手だが、私は手持ちのアトマイザー(スプレー容器)に「レコクリン」ないし「水の激落ちくん」を入れておいてレコードの横に備えている。汚れが気になったときにはサラッとスプレーからクリーニング液を盤面吹付け→クロスで盤面を磨いてしまう、という「超簡易クリーニング」でも使用している。
5.クリーニングの仕上げに:ナガオカ スタットバン
レコードを湿式クリーニングして乾かした後、私は最近この静電気防止スプレーを噴霧している。
レコード盤へのスプレー噴霧については賛否両論あるのはもちろん知っている。
無垢の盤に粘着付着する化学薬品たるスプレーを吹きかけるのはいかがなものか?という否定的な意見もある。私も昔は同様の考えであった。
しかし試してみた結果、クリーニング後にスプレーしないとするのでは、スプレーしたほうが圧倒的にホコリの落ちが良かったことから、最近はスプレー使用を採用している。
クリーニング後のレコード盤にスプレーを噴霧・まんべんなく刷り込んだあとにレコードを演奏すると、片面が終わる頃には針先にべったりと気持ちいいくらい塵埃が付着する。
スプレーしなくても多少は針先に塵埃が付着するが、スプレーをすると段違いの付着っぷりなのだ。
ここまで取れるとむしろ「気持ちいい」くらいである。
また、特に乾燥の厳しい冬の季節などは静電気のパチパチ音に悩まされることも多いが、このスプレーで大方対処できる。
もちろん使用するかどうかは個人の判断だが、よほどの貴重盤でなければ思い切って使ってみて実感してもらえれば幸いだ。
6.ナガオカ アルジャント(ウェット)
さて、湿式クリーニング時の盤磨き、およびスプレー噴霧後の液のばしについては、このブラシ一択である。
ポイントは「湿式対応のブラシ」である点だ。同様の形の「乾式」もあるのでお間違えのなく。
このブラシは起毛が汚れてきたら水道水でゴシゴシ洗うことも可能である。レコード好きで湿式クリーニングをする方なら一家に一台レベルのマストアイテムといって良い。
もちろん、他のメーカーからもいろいろと販売はされているが、盤面をこする・磨く、というデリケートな作業に使う道具であるので、あまり良く知らないメーカーモノよりは安心の日本のブランドを使用したいところだ。
7.番外編:ナガオカ 静電気防止内袋
さて、直接のクリーニング用品ではないが、個人的におすすめしたいのは「クリーニング後のレコード収納」、内袋である。
レコードの内袋は、人間でいうところのいわば「下着」のようなもの。クリーニング前のレコードが入っていた内袋は使用済みの下着である。人も風呂に入れば上がったあとに清潔な下着をつけるように、レコードも洗浄後は「新しいキレイな内袋」に収納してやるのが良いと思う。
内袋のオススメはやはりナガオカのレコード帯電防止内袋。盤と袋のスレから生まれる静電気を極力抑え、また盤を清潔に保つ効果がある。
静電気防止効果についてはこちらの公式動画で一目瞭然。
特に内袋にビニールを使う場合は、粗末なものだといわゆる「塩ビやけ」という最悪の事態を引き起こすこともありうる。大切な盤ほどこの内袋に入れ替えて保管することをおすすめする。
まとめ:オトクなセールを活用してよりコスパよく!
いかがだっただろうか。
いかんせん、オーディオ関連の商品は基本コスパが悪い。そもそもの価格設定が高価である割に、実際の使用効果は?と思うものも多いと思う。
今回ご紹介したものはすべて私自身が使用しているクリーニング用品であるので、その効果は身をもって体験してる。その点はご信頼いただきたい。
また「コスパよく」ということであれば、やはりオーディオ専門店などで購入するよりも通販サイトで購入するほうがオトクである。アマゾンのブラックフライデーセール、楽天のセールなど、ポイント還元率がアップするタイミングで「ついで買い」すればより一層オトクになるので、ぜひネット通販をご活用いただきたい。
ご一読ありがとうございました。
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