みなさま、いかがお過ごしだろうか。私は7月から出張がたてつづき、忙しい毎日を送っている。今回はご好評いただいている旅シリーズである。今回も実際に泊まってどうだったか、レビューしていきたい。
見知らぬ土地に旅をするとき、しっかりと安心感のあるホスピタリティの高いホテルを選ぶことがその土地の魅力や深く浸る時間を手に入れる最重要条件だと私は思っているが、皆さんはどうお考えだろうか?
2025年8月、夏休みを利用して私はこれまで訪問したことのないマレーシアのクアラルンプールに滞在した。
クアラルンプールは、伝統と新しい文化が複雑に絡み合い、歩くたびに驚きと発見に満ちている街である。さて、どこに泊まろうか…Expediaなど様々な代理店サイトを検索したが、やはり初めての土地ではある程度安心感のあるホテルを選んでしまう。その代表格がマリオットグループであったりヒルトングループであったりいった国際的なホテルチェーンメーカーの運営するホテルだ。
今回ご紹介するマリオットグループの「フォーポイントバイシェラトン・クアラルンプール・チャイナタウン」は、名前の通りチャイナタウンにあるホテルなのだが、クアラルンプールの古き良き町並みと近代感がどちらも同居した素晴らしい立地にあった。

このホテルに4泊したが、初めての土地での不安感をかき消してくれるような安心感、美味しい朝ご飯、ホスピタリティを感じることができて大変満足できた。
初めて訪問する国・都市での不安感、これを払拭してくれるのはやはりホテルである。今回は、私が「本当に素晴らしい」と感動したポイントを、まとめておこうと思う。
1. 最高のロケーション!街全体がテーマパークのようである

このホテルに泊まる最大の理由は、その立地にある。クアラルンプールのチャイナタウンの中心に位置するため、ホテルから一歩出れば、そこがもう旅の始まりである 。活気あふれるストリートマーケットや、おしゃれなカフェ、歴史的な建物が混在し、街全体がテーマパークのようである 。

公共交通機関へのアクセスも抜群である。地下鉄(MRT/LRT)のPasar Seni駅から徒歩数分という近さは、交通渋滞に悩まされることなく、市内の主要な観光地へスムーズに移動できることを意味する 。


もちろんクアラルンプールはタクシーも発達しているし、何より配車アプリGrabが便利である。しかしながら夕方〜夜にかけては交通渋滞のために混み合い、配車アプリでも車の手配ができない、ないしできても20分待ち、ということもザラだった。ペトロナスツインタワーやKLタワーといったクアラルンプールの象徴的なランドマークの夜景を愉しみたい場合は、公共交通機関の利用のほうが便利であることも抑えておきたい

また、徒歩圏内には魅力的なスポットが数多く点在している。

- ペタリン通り(Petaling Street): ホテルのすぐそばにある中華街のメインストリートである。毎日16時を過ぎるとナイトマーケットが始まり、美味しいストリートフードやお土産探しが楽しめる。
- 鬼仔巷(Kwai Chai Hong): ホテルの目の前にある、まさに”インスタ映え”する裏路地である 2。1960年代のチャイナタウンをテーマにしたウォールアートが特徴的で、写真撮影に夢中になること間違いなしである 9。
- セントラルマーケット(Central Market): 徒歩5分圏内にある、歴史ある屋内市場である 9。マレーシアの伝統工芸品やハンドメイドのお土産が見つかるため、買い物好きにはたまらない場所である 12。

以下に、これらの主要観光地へのアクセスをまとめた表を示す。
観光地名 | 徒歩時間 | 見どころ |
ペタリン通り | 徒歩数分 | 活気あるナイトマーケット、ストリートフード、土産物 |
鬼仔巷 | 徒歩数分 | 1960年代のチャイナタウンを描いたウォールアート、レトロな雰囲気 |
セントラルマーケット | 徒歩5分圏内 | 伝統工芸品、バティック、手作りの土産物 |
Pasar Seni駅 | 徒歩数分 | LRT・MRTの乗り換え駅。市内各所へのアクセス拠点 |
このホテルは、単に「便利なホテル」ではなく、街の魅力を最大限に引き出してくれる最高の拠点である。
2. 部屋から見える絶景に言葉を失った

このホテルのもう一つのハイライトは、客室からの眺めである。正直、部屋に入った瞬間「うわぁ…!」と声が出てしまうほどだ。大きな窓からクアラルンプールの街並みが広がり、特に夕日や夜景はロマンチックで忘れられない景色であった 。
部屋からは、クアラルンプールの過去と現在を象徴する景色を同時に楽しめる。
- 西側: 歴史ある国立モスクや、クアラルンプール駅が荘厳な雰囲気で佇んでいるのが見える 2。
- 北側: ギラギラ輝くペトロナスツインタワーやKLタワーが遠くに見え、大都会のダイナミズムを感じられる 2。

部屋は「とにかく綺麗」「清潔」と評判なだけあり、居心地は最高である。シンプルながらセンスの良いインテリアと、フカフカのベッドで、観光で疲れた体もバッチリ癒された。


なお、部屋はすべて禁煙である。喫煙する場合はホテル1F入口前の喫煙所にて。
ホテルのデザインも素晴らしい。ロビーや共用スペースには、レンガや木材、翡翠色のタイルが使用されており、チャイナタウンの歴史を大事にしていることが伝わってくる。

なお、このホテルはフロントが7Fにある。1Fは出入り口と簡単な待合スペースのみだ。

3. 食べて飲んで!五感で楽しむマレーシア体験
このホテルは、食の面でも期待を裏切らない。ホテル内にあるレストランやバーが、どれもチャイナタウンの文化をテーマにしており、食事そのものが旅の思い出になるのである。
Quan’s Kitchen(クアンズ・キッチン): 朝食ビュッフェが最高である。

地元の中華料理から、西洋料理、マレーシアの名物料理まで、とにかく種類が豊富で4泊しても飽きることがなかった。エッグステーションではオムレツやエッグベネディクト、もちろん目玉焼きもその場で作ってもらえる。また日替わりヌードルコーナーがあり、インド風のカレーめんもあればベトナム風のフォーもあった。また、マリオットといえばやはりパンなのだが、日替わりのパンもとても美味しかった。

そして極めつけのサラダはなんと栽培されているものを自分で刈り取ってつくる方式。フレッシュすぎる生野菜を朝から存分に味わえる。こんな体験はなかなかできるものではない。
Jann(ジャン): フロントと同じ7Fにあるバー・ラウンジである。

ここが最も印象的であった。チャイナタウンの伝統やマレーシアの思い出の味をテーマにした、ユニークなカクテルが楽しめるバーなのである。クアラルンプールの夜景を眺めながら飲む一杯は、最高に贅沢な時間であった。なお、ここでは喫煙可能だ。紫煙をくゆらせながらお酒を愉しみ、夜景を眺めるなんていうのはたまらないひとときである。

このホテル内の飲食施設は、地域の食文化を再定義し、ゲストが五感を通してチャイナタウンの物語を体験できるように設計されている。

4. 泊まるだけじゃない!ホテルで遊ぶ新しいスタイル
「ホテルは寝る場所」と考えている人もいるかもしれない。しかし、このホテルは違う。宿泊をさらに楽しくしてくれるアクティビティがたくさん用意されているのである。今回私は滞在期間中ほぼカメラ片手に出歩いていたので利用することはなかったが、長期滞在やリラックスした旅を検討している場合は是非利用したいアクティヴィティである。

- プール&ジム: 7階の屋外プールでは、ムルデカ118タワーを眺めながらリラックスできる。24時間使えるジムもあるため、旅先でもしっかり体を動かしたい人には嬉しい。
- 体験型ワークショップ: 料理教室やカクテル作り、オリジナルティーのブレンド体験など、ゲストが参加して楽しめるイベントが週末に開催されている。
- 地域探索ツアー: ホテル主催の「チャイナタウン文化ウォーク」に参加すれば、地元のプロがチャイナタウンの隠れた魅力を教えてくれる。(残念ながら英語オンリーだが)
このホテルは、ただ快適な場所を提供するだけでなく、「新しい体験」を提供することで、滞在の価値をぐっと引き上げているのである。
5. 最後に:また来たい!と思うところとちょっとしたデメリット

今回のフォーポイントバイシェラトン・チャイナタウンでの4泊の滞在は、本当に心から「泊まってよかった」と思える経験であった。素晴らしい立地、心安らぐ部屋、美味しい食事、そして何より温かく迎えてくれるスタッフのホスピタリティ。もちろんスタッフは英語はばっちりだ。
ただ一つだけデメリット、というか不満な点を上げるとすれば、日本語が全く通じないところだろう。ただ、日本語は通じないが、英語が苦手な人も翻訳アプリを使えばコミュニケーションに困ることはないだろうし、向こうもこちらが英語が苦手なことはよく理解していて、カタコトでもなんとかその意を組もうとしてくれる。なので、大したことではないと思う。
なにより、ホスピタリティが素晴らしい。何があっても大丈夫、私達がたすけますよ、というホテルスタッフの心優しさを感じることが多かった。
クアラルンプールに行くなら、このホテルを選ぶことをお勧めする。きっと、あなたの旅を最高のものにしてくれるはずである。
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