はじめに:バンコクの映えスポット「ワット・パクナム」の魅力
タイ・バンコクには、息をのむほど美しい寺院が数多く存在する。その中でも、今最も注目を集めているのが「ワット・パクナム」だ。特に仏塔の最上階に広がる、エメラルド色に輝く天井画とガラス製の仏塔が織りなす幻想的な世界は、まさに圧巻。SNSで「宇宙を感じる」と話題になり、多くの旅行者を惹きつけている。いわゆる「映えスポット」と言っていいだろう。
私も2025年7月にこの場所を訪れ、その神秘的な美しさに心を奪われた一人だ。カメラ片手に、ローカルな雰囲気を楽しみながらワット・パクナムを目指す道のりもまた格別だった。しかし、この寺院はバンコク中心部から少し離れた場所にあり、アクセス方法に悩む人も多いだろう。
そこで本記事では、時間がない人向けの「最短ルート」、かつ旅費を抑えたい人向けの「最安ルート」を徹底的に解説し、さらに私個人が最もおすすめする「ベストな行き方」を紹介する。ワット・パクナムを起点に、バンコクの有名寺院を巡る半日モデルコースも提案しているので、ぜひ旅の計画の参考にしてほしい。
訪問前に知っておくべきワット・パクナムの基本情報
ワット・パクナムを訪れる前に、まずはその基本情報を押さえておこう。

- 正式名称と場所: ワット・パクナム・パーシーチャルーン (Wat Paknam Phasi Charoen)。バンコクのチャオプラヤー川西岸、タラートプルー地区に位置している。

- 歴史と由来: 17世紀中頃にアユタヤ王朝によって建てられたと言われる、歴史ある仏教寺院。元々は水上交通の要所であった場所で、タイ語で「河口の寺」を意味する「ワット・パークナム」という名がつけられた。1916年に高僧ルアン・ポー・ソッドが住職に就任して以降、瞑想指導の拠点として国内外から多くの信徒を集め、現在の隆盛を築いた。

- 営業時間と入場料:
- 開館時間:8:00〜17:00
- 入場料:外国人観光客は50バーツ(約220円)。
- 服装とマナー: 寺院は神聖な場所であり、肌の露出を控えた服装が必須である。肩や膝を覆う服装を心がけよう。また、仏像や僧侶への敬意を払い、静かに見学することが求められる。
バンコク市内からワット・パクナムへの全交通手段と料金比較
バンコク市内からワット・パクナムへの移動方法は主に以下の4つが考えられる。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分の旅のスタイルに合った方法を選んでほしい。
交通手段 | メリット | デメリット |
BTS/MRT + 徒歩 | 安価で、乗り換えが少なくシンプル。 | 少し歩く(約15~20分)必要がある。 |
BTS/MRT + ソンテウ | 最も安価。 | 乗り換えが必要で、少し難易度が高い。 |
BTS/MRT + タクシー | 時間と料金のバランスが良い。 | タクシー代がかかる。 |
タクシー(Grab/Bolt) | 最短・最も快適。交渉不要で安全。 | 交通渋滞に巻き込まれると高額になる可能性もある。 |
料金の目安(片道):
- BTS/MRT:約40~50バーツ(約180~230円)
- ソンテウ:7バーツ(約30円)
- タクシー:約150~250バーツ(約680~1,130円)
所要時間の目安:
- BTS/MRT+ソンテウ/徒歩:約40~60分
- タクシー:約20~40分(渋滞による)
私が断然おすすめするベストな行き方:MRT+徒歩ルート
結論から言うと、個人的に最もおすすめしたいのが「MRT+徒歩」ルートだ。なぜなら、このルートはシンプルで分かりやすく、費用も安く、さらに道中の街歩きが旅の素晴らしいアクセントになるからだ。
ステップ1:MRTで「バーンパイ駅」へ

観光客にとってわかりやすいバンコクの中心地、アソークから行くことを前提に考えたい。BTSアソーク駅と接続しているMRTスクンビット駅から、MRTブルーラインに乗り「バーンパイ駅(Bang Phai)」を目指す。BTSを利用する場合も、アソーク駅からサイアム駅で乗り換えてバーンワー駅へ行けるが、MRTブルーラインであれば乗り換えなしで一直線だ。料金は出発地によるが、市内中心部からであれば50バーツ(約230円)前後となる。
ステップ2:ワット・パクナムまで徒歩で移動

駅を降りたら、Googleマップを頼りに徒歩で寺院を目指そう。バーンパイ駅からは徒歩15分ほどかかるが、道はシンプルで迷いにくい。が、正直「こんな道であってる?」というくらい地元感丸出しというか、観光地に向かっていく整えられた門前街という風情ではない。

正直不安にすらなる。しかしながらこの道のりこそが、このルートの最大の魅力だ。


私はライカにズミクロン35mmレンズをつけて、道端や人々の日常をスナップしながら歩くことを楽しんだ。日差しが強いので、帽子や水分補給は忘れずに行おう。

【セキュリティの視点から考察】なぜ私はタクシーを使わないか
タクシーやGrabなどの配車サービスは便利だが、私は旅の安全を第一に考えている。特に海外では、メーターを使わないタクシーとの料金交渉や、遠回りされてぼったくられるといったトラブルも少なくない。GrabやBoltを使えば事前に料金が確定するが、それでも待ち合わせ地点の微細な場所をチャットや電話するなど、ドライバーとのコミュニケーションには正直少し不安を感じることもある。
その点、BTSやMRTといった公共交通機関は、多くの人が利用するため安心感が高い。バンコクのMRTは最近、VISAおよびMASTERのクレジットカードのタッチ決済に対応したため、切符を購入する手間もなく、よりスムーズに利用できるようになった。このセキュリティと利便性の観点から、私は公共交通機関をメインに据えたこの「MRT+徒歩」ルートをベストと断定する。
なお海外クレジットカードで手続き簡単、手数料を最安に抑えるにはイオンカードが現状良いと思う。そのへんはこの記事で書いているので気になる人は参照してほしい。
ワット・パクナムを起点に半日で有名寺院を巡る旅

ワット・パクナムを訪れた後は、そのまま帰るのではなく、バンコクの三大寺院を巡るモデルコースに挑戦してみよう。ワット・パクナムの最寄りであるMRTバーンワー駅から、主要な寺院まで簡単に移動できるのだ。
- ワット・パクナムを観光
- MRTバーンパイ駅(Bang Phai)からMRTイサラハップ駅(Itsara phap)へ
- 駅からワット・アルン(暁の寺)へ
- ワット・アルンから渡し船(5バーツ(約20円))で川を渡り、ワット・ポー(涅槃寺)へ

このルートを使えば、午前中にワット・パクナムの神秘的な世界を堪能し、午後にはワット・アルン、ワット・ポーといったバンコクを代表する寺院を効率よく回ることができる。

旅の思い出を彩る!ワット・パクナム周辺の撮影術
ワット・パクナムの最大の魅力は、その幻想的な景観と、それを囲むローカルな街並みにある。旅の思い出を最高の写真に残すためのヒントを紹介する。
寺院内部の撮影術
- 撮影のベストタイミング: やはり人が少ない午前中の開館直後(8:00〜10:00)が狙い目だ。
- おすすめの撮影スポット: 仏塔最上階のエメラルド色に輝く天井画とガラス仏塔。
撮影のコツ
- 広角レンズを活かす: 仏塔の天井画は非常に壮大なので、スマホの広角モードを使い、全体を収める構図を意識してみよう。

- 下から見上げるアングル: 仏塔の真下から天井を見上げるように撮影すると、奥行きと迫力が増し、まるで宇宙に吸い込まれるような美しい写真が撮れる。


ローカルな街並みの撮影術
- 撮影のタイミング: 街歩きの道中、人々の活気が増す朝や夕方が狙い目。
- おすすめの被写体:
- MRT駅からワット・パクナムへ向かう道のりにある、活気のある屋台や商店。


- 道端でくつろぐ人々や、子供たちの何気ない日常。

撮影のコツ
- 35mmレンズの活用: 私が使用したズミクロン35mmは、人間の視覚に近い画角で、被写体との距離感を自然に保てる。風景と人物をバランス良く切り取ることができ、ローカルな雰囲気を写し取るのに最適なレンズだ。
- 光を意識する: タイの強い日差しは写真のコントラストを際立たせる。影をうまく活用したり、逆光で被写体の輪郭を強調したりすることで、よりドラマチックな一枚を撮影できる。なお、特に昼間は逆光のシチュエーションが多く、逆光補正が難しいこともあるため、時間帯・露出補正を意識して撮影に臨むのがポイントだ。
まとめ:あなたの旅スタイルに合わせてベストな行き方を選ぼう
ワット・パクナムへのアクセス方法は様々だ。しかし、最もシンプルで安全、そしてバンコクの日常を肌で感じられる「MRT+徒歩」ルートは、旅の初心者にも自信を持っておすすめできる。ワット・パクナムの美しさは、実際にその場に立ってみないと分からない特別なものだ。特に仏塔の天井画を見上げたときの「宇宙を感じる」ような感覚は、一生忘れられない思い出となるだろう。
あなたの旅の目的やスタイルに合わせて、最適な行き方を選んでほしい。そして、ぜひワット・パクナムが織りなす幻想的な世界を体験し、あなただけのバンコクの旅を楽しんでほしい。
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